2019年05月21日

Wedding Party Report 〜Apr.2019 後編〜


「小さい頃、一緒によく遊んだのを覚えていますか」

新郎新婦が、親族のひとりひとりに語りかけます。

ただ紹介するだけでなく、今日という日を一緒に迎えることができた喜びを伝え、思い出を共有していく親族紹介。
名前を呼ばれた人は、少し照れくさそうな笑顔で周りを見渡します。

まるで窓から部屋中を照らす春の光のような、やわらかで穏やかな時間でした。


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親族会のあとは、ゲストが全員が集まり人前式です。

ゲストが見守るなか、新婦がご両親とともに新郎のもとへ向かいます。


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人前式はゲストの前で結婚を誓い、承認してもらうセレモニーです。

お二人が選んだ承認の方法は、ゲストにひとつずつ配られたパズルのピース。
これから2人で生きていくことを誓ったあと、結婚承認の証として順番にパネルにピースをはめていってもらいます。


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最後に、新郎新婦が1番大きなピースをはめてパネルが完成。
ハネムーンで訪れる予定のセブ・マクタン島の青い空と海があらわれました。


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晴れて夫婦となったお二人が先頭を切り、パーティー会場へ移動します。
いよいよ「春のお花畑」でパーティーの始まりです。


「今回のパーティーはみなさんに感謝の気持ちを伝え、幸せな時間を過ごすことが目的です。でも自分たちのためだけでなく、誰かのためにもなる結婚式にしたい。そう考え、エシカルを取り入れました」

エシカルの説明や、それを選んだ自分たちの想い。
たくさんの伝えたいことを1枚の紙にまとめ、志桜里さんがウェルカムスピーチを読み上げました。

「地球に優しく、つくり手の支援につながるという思いが込められたエシカル。今日、来てくださったみなさんの行動も、他の誰かの笑顔につながっています」


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俊介さんの乾杯と同時にパーティーが始まりました。

春キャベツや新たまねぎなど春を感じる食材が使われた料理が運ばれ、新郎新婦も思い思いに各テーブルをまわっていきます。

ゲストからドレスを褒められるたびに「これは、バングラデシュで手刺繍されたものでね…」と紹介していく志桜里さん。

このウェディングに込めた思いを、ゲストとシェアするあたたかい時間です。


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ウェディングケーキにも、お花がたくさん。
エディブルフラワーをあしらったケーキに、ゲストからも歓声があがりました。


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そして今回のウェディングでは、新郎新婦が企画した「お花」をテーマにしたものが、もうひとつ。
ドライフラワーとリサイクルガラスのボトルを使ったワークショップです。

福祉の専門学校で出会ったお二人が距離を縮めるきっかけとなったのが、地域の交流サロンでのプログラムづくり。
「どうすれば相手に楽しい時間を過ごしてもらえるのか」を考え続けているお二人だからこそのワークショップです。


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「選ぶお花も、詰め方にも個性が出るね」

ボトルにドライフラワーを詰めていくというシンプルな作業。
そんな話をしながらゲストのみなさんは楽しそうに、そして真剣にフラワーボトルを作っていきます。
今日の幸せをドライフラワーに乗せ、小瓶に閉じ込めるように。

「ああ、この瞬間をおぼえていたい」

志桜里さんの口から、ふとこぼれた言葉。
少しでも多くの瞬間を切り取れるよう、カメラのシャッターを切る手にも力が入ります。


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新郎新婦が始まる前から「終わってほしくないなぁ」と笑っていたウェディングパーティー。
驚くほどあっという間に時間が過ぎ、最後に新郎新婦からご両親へ、今日一番伝えたかった感謝の気持ちを手紙で贈りました。

「大切な人に感謝の気持ちを伝えるために、ウェディングがしたい」

最初から、ずっとそう言い続けていた新郎新婦。
その思いはちゃんとウェディングという形になり、手紙という言葉に乗せて、届いていたのではないでしょうか。


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そして、お見送りの時間。
ひとりひとりに挨拶をして、フェアトレードのコットンバッグに入ったお土産を手渡していきます。


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会場の外でゲストのひとりが、コットンバッグに結ばれたタグを見ながら友人に話しかけます。
そこにはフェアトレードの簡単な説明と、バッグを作った途上国の女性が、生産技術を身につけ販売することで、誇りを持って自立できるようになったストーリーが書かれていました。

「エシカルって、こういうことなんだよな。いいよね、こういうの」


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新郎新婦が伝えたかったエシカルは、ちゃんと届いていました。
今日、この春のお花畑から確実にその綿毛を飛ばし、遠くへ。そしてまた別の場所で、きっとエシカルの花が咲いていくのでしょう。


俊介さん、志桜里さん。
エシカルウェディングに出会ってくれて、私たちを見つけてくれて、ありがとうございました。


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どうぞ、末永くお幸せに。

May we walk in beauty!


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posted by Mohala at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | Party Report

Wedding Party Report 〜Apr.2019 前編〜 


寒かった冬がようやく遠のき、
あたたかな光がまぶしかった4月某日。

たくさんの花と笑顔に囲まれたWedding Partyがおこなわれました。


今回の会場は、二子玉川にあるフォトスタジオと併設するレストランnaturam

エシカルウェディングの考えに共感してくれ、これまでにも一緒にウェディングを作り上げてきたWalk in Beautyにとって大切な場所です。


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朝一番に会場に届いたのは、春を感じさせる菜の花や、ふんわりボリューミーなビバーナムステリーレなどのみずみずしいお花たち。

「オーガニックフラワー」といわれるこれらのお花は、農薬を使用せずに栽培されています。


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お花を届けてくれたのは川崎市麻生区のお花農家、吉垣さん

80年ものあいだ代々続いてきた花農家を、ご自分の代で無農薬栽培に切り替えたのは「未来に続く、次の世代のため」。

試行錯誤の上でようやく生まれた「オーガニックフラワー」はどれも、この季節に咲くべくして咲いた、力強いお花たちです。


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そんな色とりどりのお花は、リユースまたはリサイクルガラスで作られた瓶に生けて各テーブルへ。
高砂の上にはオリーブを垂らし、ベンチまわりには溢れんばかりの菜の花やムギを。

会場全体で「春のお花畑」を演出しました。


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会場の準備も整ってきた頃、新郎新婦である俊介さんと志桜里さんが到着しました。

お二人ともなんだかそわそわ。
緊張した面持ちで、自作のウェルカムボードや写真などを飾っていきます。


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福祉の夜間学校で知り合ったというお二人。ニコニコと笑い合うお姿からは、普段から相手に寄り添う優しいお人柄が伺えます。


派手な結婚式ではなく、大切な人たちと過ごす穏やかなパーティーを望まれていたお二人は、フェアトレードのウェディングドレスをきっかけに、Walk in Beautyを見つけてくださいました。


「初めてエシカルウェディングを知って、こんな結婚式だったらやりたいと思ったんです」


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「エシカルウェディング」と一言で言っても、その表現方法は新郎新婦によってさまざまです。

エシカルを表には出さずさりげないテーマにしたい、部分的にエシカルを取り入れたい、などの新郎新婦の思いに寄り添いながら、一緒に「私たちのエシカルウェディング」を形作っていきます。


今回の新郎新婦は、エシカルを知るうちに「ウェディングをとおして、エシカルや関わる人たちのことをちゃんと紹介したい」という強い思いを持っているのが印象的でした。

そんなお二人が用意したのはエシカルウェディングを紹介するパネル。

今回のウェディングに取り入れたエシカルアイテムを紹介し、それが生産者の幸せにつながっていることを丁寧に説明したパネルは、俊介さんの手作りです。
体調がすぐれず、パネルづくりを諦めていた新婦・志桜里さんの分まで、寝る間を惜しんで作ったといいます。


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「最初は、志桜里さんがしたいことを叶えてあげたいと思っていたんです。でもエシカルウェディングを知っていくうちに、こんなに素晴らしいことはちゃんと伝えたい、と思うようになりました」

打ち合わせの段階から、エシカルなウェディングがしたいと話す志桜里さんのことを、隣で微笑みながら見守っていた俊介さん。
到着したゲストがパネルを読んでいたことを伝えたときの「うれしいな」と笑う笑顔はやさしく、愛が溢れるようでした。


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会場装飾が整ったら、次は今日の主役である新郎新婦の番です。

志桜里さんがこの日のために選んだのは、胸元からスカートにかけての刺繍が美しい、バングラデシュからやってきた手織りのドレス。
フェアトレードのコットンシルクがふんわりと舞い、背中が大きく開いた大胆なデザインでも柔らかい印象です。

ドレスを選ぶ際、その背景や職人のストーリーに聞き入ってくれたお二人の真剣な眼差し、運命の一枚に出会ったときの嬉しそうな表情。

それを見て、私たちは「このお二人のウェディングをすばらしいものにしたい」と思ったことを思い出しました。


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開いた首元を飾るのは、宮城県石巻市でつくられたコットンパールのアクセサリーです。
東日本大震災で被災したママたちの居場所づくりとしてスタートしたAmanecerのネックレスとイヤリング。コットンパールのやさしい輝きはウェディングドレスとよく似合い、お互いを引き立ててくれます。


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どこの誰の手によって作られたものなのかを知り、つくった人々に想いを馳せる。

エシカルの要素でもあるトレーサビリティは、新郎のスーツにも。

オーダーメイドで仕立てたスーツは、日本の裏側、アルゼンチンの羊毛牧場からインドの紡績工場を経て、日本各地の職人の手で仕立てられたものです。

そして新郎の胸元には、新婦の髪飾りやブーケとおそろいのブートニア。

自然な黄緑色が濃紺のジャケットに映え、いよいよウェディングが始まるんだという感じ。ここで使われているドライフラワーは、生花としての役目を終えた花をドライフラワーにした「リメイクフラワー」や、就労支援として福祉作業所の方々が作ったもの。
Walk in Beautyのスタート当時から、ともに色々なチャレンジをさせていただいているPacosがアレンジをしてくれました。

志桜里さんとは、一緒にアトリエを訪問していました。
そのときの、色とりどりのドライフラワーに囲まれた、嬉しそうな志桜里さんの顔が忘れられません。


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準備を終えたお二人が向かうのは、親族会の会場です。
大切な家族へ、今日だからこそ伝えたいことをしたためたメモを片手に、腕を組み歩くお二人。

これから、新郎新婦としての1日が始まります。


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ぴかぴか(新しい)後編へ続くぴかぴか(新しい)



posted by Mohala at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | Party Report